薬剤師には在宅勤務の求人があるのか

2020-03-29

薬剤師の資格を生かして応募できる求人の中には在宅勤務ができるものはあるのでしょうか。全国的にリモートワークが取り入られている状況があるため、きっと何かできる仕事があるに違いないと思う人もいるでしょう。薬剤師が自宅でも働ける求人があるのかどうかについて詳しく説明するので、仕事を探すときの参考にして下さい。

『ブランクがある薬剤師が求人に応募するときのコツ』

通常の求人は自宅勤務ができない

まず前提として考える必要があるのが薬剤師の一般的な業務の特性です。薬剤師が資格を生かして担当できる業務は性質上、自宅ではできないものばかりです。そのため、通常の求人では自宅勤務ができる待遇にはなっていません。

最も典型的なのが調剤や服薬指導ですが、調剤をするためには医薬品のある調剤室が必要なので、調剤薬局や病院に行かなければならないでしょう。服薬指導もそれとセットで実施する付帯業務なのでやはり自宅ではできません。

薬剤師は管理薬剤師としての業務をすることもできますが、この仕事も自宅ではできないのは明らかでしょう。工場や倉庫の現場で正しく医薬品が管理されているかどうかを見て管理するのが業務だからです。倉庫内の様子をカメラを使ってリモート監視することも、倉庫内の室温をパソコンなどでモニタリングすることもできます。

しかし、現場での目視による確認や機器の点検などを実施することはできないので、自宅では業務を全うすることができないのです。このようにして考えると薬剤師は資格を生かして働くという点では自宅勤務が難しそうに見えます。

確かに病院や調剤薬局、物流会社や卸会社、メーカーの倉庫などで働くのは困難でしょう。しかし、それ以外の選択肢を考えれば自宅勤務も実現可能です。その例を一つずつ確認していきましょう。

製薬メーカーの開発職

製薬メーカーでは医薬品の承認申請をするのを主な業務とする開発職を置いているのが一般的です。臨床開発から担当するケースもありますが、基本的には臨床試験の初期または終了時期から厚生労働省や各国の承認機関に申請をするのが仕事になっています。

業務の大半は社内の研究や臨床開発を担当している部署とのやり取りと書類作成、そして承認機関での申請手続きとその後のフォローです。ほとんどの作業はデスクワークなので自宅でも資料さえ整えることができれば働けます。

出張などが必要になる場合もありますが、在宅勤務を認められているケースも増えてきているので魅力的な候補でしょう。

製薬メーカーの学術職

製薬メーカーでは学術職も置いていることが多く、在宅勤務を取り入れているケースが目立ちます。学術職は最近ではDI職やドラッグインフォマティックス担当者、医薬品情報担当とも呼ばれるようになってきました。自社で開発して製造販売している医薬品に関して臨床情報や学術研究情報、社内での研究情報などを集めてデータベース化するのが主な業務です。

医薬品の取り扱い上、周知が必要な情報が見つかったときには医療機関に情報を発信して注意を促すのも業務に含まれています。また、MRに対して医薬品情報を提供することにより営業サポートをすることも多く、社内向けの医薬品情報に関する講習会を実施することもあります。

学術職もデータベースを作成するための情報収集が基本なのでデスクワークが業務の大半を占めます。在宅でも情報管理にさえ気を付ければできる仕事なのは確かでしょう。また、MRのサポートや講習会の実施もオンラインで行うことは簡単です。

このため、リモートワークが推進され始めた初期から在宅勤務のトライアルが行われていた職種としても知られています。

メディア会社のメディカルライター

薬剤師はメディカルライターとして働く道もあります。全国的に医療や健康に対する関心が高まっていることから、その情報を専門家の立場から発信できるライターが求められています。薬剤師は医師や看護師と並んで人気が高い職種で、特に薬に関する話題のときにはぜひとも書いてもらいたいという依頼を受けることになるでしょう。

フリーライターとして仕事を探すこともできますが、求人を見てみるとメディア系の会社からの募集を見つけられます。医療系の雑誌を手がけている企業が多く、薬剤師の募集は他の医療系の職種に比べても多いのが現状です。

メディカルライターのライティング作業は編集長などとの打ち合わせは自宅からでもできるので、原則自宅勤務ということが多くなっています。ただ、現場に取材に行かなければならないことも多いため、完全に自宅だけで働けるわけではないのが一般的です。

例外的なのはフリーライターの場合で、自宅で資料を見ればできるような書き物だけ請け負っていれば完全に自宅勤務にすることもできるでしょう。

医薬系会社の電話オペレーター

製薬メーカーや医療機器メーカー、医薬品販売会社などでは電話オペレーターとして薬剤師をよく雇っています。電話オペレーターの仕事はオフィスで行うのが一般的でしたが、だんだんと自宅勤務が可能な体制を整えているところが増えてきました。

電話オペレーターは顧客に対する電話対応を一通り行うのが特徴で、コールセンター業務が中心になっています。医薬品の管理方法や医療機器の使用方法などについての問い合わせがあったときに専門的で適切な回答をするのが仕事です。

そのためには薬剤師としての医薬品や医療に関する知識が重要になるため、薬剤師の採用が進められています。また、医薬品販売会社では顧客からのクレーム対応を任せる場合が多かったものの、医薬品の通信販売業務を担当させるケースも出てきています。

第二類医薬品などを販売するときには購入者に対して薬剤師が医薬品の適正使用に関する情報を伝えなければなりません。通信販売でもこの義務があるので電話やチャット、メールなどを通して行う仕組みを整える必要があります。

その人材として自宅から対応してもらうという仕組み作りをしているケースもあるのです。

薬剤師にも自宅勤務可能な仕事がある

薬剤師は調剤や管理薬剤師の業務を考えると自宅では働けないと思ってしまいがちです。しかし、製薬メーカーでは開発職や学術職を置いていて、デスクワークが中心なので自宅勤務ができます。また、メディカルライターや電話オペレーターといった選択肢もあります。

どれも薬剤師としての知識を生かせる重要な仕事なので検討してみましょう。